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[政治経済] 小泉純一郎と靖国問題
 まず、俺はあの人のこと大好きなわけですよ。何がって、あのタヌキっぷりが。いけしゃあしゃあとした態度にコメント。天の邪鬼かつ冷徹ではあるが、けして悪人ではない根っこ。
 政治経済カテゴリ初回のお題は、ちょいと時期を逃してるけどあの人が巷を騒がせた靖国問題についての裏事情を推察。基礎知識とバックグラウンドから順番に追っていきます。言っとくけど長いよ?


■(元)小泉総理
 2001年4月26日〜2006年9月26日まで内閣総理大臣に在任。小泉劇場、小泉旋風、小泉マジックなどの言葉が示すとおり、話題性が尽きない異色の総理。本人もそのことをよく熟知しており、またそれを常に政治に利用してきた。
 悪く言えば扇動力に優れ、メディアを有効利用するなど人心操作が巧い。また先見性も高く、徹底的な行動や周囲を無視した断行を行う際、ほぼ確実に成功している。また反論者・対立勢力は容赦なく切り捨てる。結果としてファンが多く、常に高い水準の支持率を維持してきた。一方で不支持の理由トップが「信頼できない」であったことが、彼の性格を端的に表現しているように感じる。
 主な業績は郵政民営化、年金・医療制度の改革、テロ対策特別措置法の制定(自衛隊の海外派遣)、北朝鮮への訪問&金正日総書記と会談(北朝鮮政府は日本人拉致への直接関与を認め、5人を帰国させた)など。一方で在任中は毎年靖国神社に参拝し、中国および韓国との関係を大きく悪化させた。


■靖国神社と小泉総理
 言わずとしれた、戦死者を祀るための神社。しかし中国・韓国からは日本の侵略戦争のシンボルであると見られており、日本の要人が参拝する度に激しい反発を繰り返している。
 在任中の小泉総理は毎年のように靖国神社へ赴き、そのたびに中韓両国の反発を招いてきた。また現職の総理としては21年ぶりに、終戦日である8月15日に参拝を強行した。
 多くの総理大臣が周囲に配慮して参拝を自粛する中、彼が周囲の反対を押し切って参拝を断行する理由。彼曰く「今日の日本の平和と繁栄は、戦争で尊い命を犠牲にされた方々の上に存在する。心からなる敬意と感謝の念を持って靖国神社に参拝している」。
 追記すると、彼は従兄弟を特攻により亡くしている。


■本当にそれだけか?
 しかしもう一度だけ考えてみよう。確かに小泉純一郎は芸術家肌でロマンチスト、孤高で自分の信条を貫く人間だ。けれども政治家として有能な一面も持っている。世論、いわば周囲の空気を読む能力に長けており、大きなペナルティを背負ってまで、個人的な信条のみで靖国参拝を断行したとは考えにくい。仮にも総理にまで上り詰めた男だ。あの郵政解散にしろ、その後の展開を踏まえていたからこその断行だったはずである。この靖国問題おいても、もっと複雑で計算された損益計算が存在してしかるべきなのだ。


■靖国問題の裏事情  舛覆写国参拝が悪いのか〜
 繰り返しになるが、小泉マジックと称されるほどのしたたかさを持ったこの手品師が国内外からの糾弾を甘んじて受けるわけがない。ならば、そのマイナス面に見合うだけのプラスが存在するのではないだろうか。その部分を探るため、靖国問題について初めからほじくり返してみよう。
 靖国神社を参拝すると中韓が怒る。それはなぜか。一例として、世界における反対派の意見を見てみよう。あるアメリカ紙は「過去を反省しない日本」という認識を示し、イギリス紙においても「右翼勢力を喜ばせるためとしか受け取れない」と批判的な記事が掲載された。日本総理の靖国参拝については賛成・反対の意見が多数あるが、反対派としてはつまり、第二次大戦における侵略戦争に反省の色がない・A級戦犯を祭った施設に国の代表が行くな、ということだろう。
 ただし、この批判はさほど気にする必要のない問題に思える。日本が侵略用の弾道ミサイルや空母を準備しているならともかく、国際的平和の観点から見て戦後60年間、日本はそれなりの評価を得ているからである。
 加えて、この問題は諸外国それぞれにおける国益には一切無関係である。実際に金額的・領土的な問題が発生するならばともかく、こういった実利と無関係な問題について諸外国が本気になるとは思えない。そもそも日本の総理が交代すれば、それで終わりという問題である。反対派の声があがる諸外国だってそんなに暇ではない。批判するにしても、とりあえず批判して終わりである。
 では、諸外国と異なり中韓が靖国問題に対して過敏に反応する理由は何か。その理由は、中韓の内部事情にあるのだ。


■靖国問題の裏事情◆ 礎羇敞身の真意〜
 靖国参拝問題の急先鋒が中韓である。彼らの反応は他の諸外国のそれとは一線を画しており、本気かつ徹底的である。小泉総理の靖国参拝を自粛するよう政府として要請し、かつ参拝後には政府として抗議を行っているのだから間違いなくマジである。なぜ、彼らはそこまで本気で嫌がるのだろうか。
 理由は、そこに国益が絡むからである。小泉総理が靖国を参拝しても、アメリカや欧州、その他諸外国が国益を損なうことはない。しかし、中韓は違う。小泉総理が靖国神社を参拝すると、実利としてマズイことになるのである。ここで注意しておきたいのが、中韓は決して「お前ムカツク」と攻撃的な立場から靖国問題を取り上げているのではない。むしろ「頼むからやめてくれ」と防御的な立場から靖国参拝を拒絶しているのだ。
 その原因は中韓政府にあるのではない。中韓の国民、正確には国民の一部分にあたる「極端な反日派」に存在する。彼らはこと対日問題となると異常なまでの行動を起こす。特に韓国。国旗や写真(総理や天皇)を燃やしたり、キジ(日本の国鳥)を惨殺したり。
 そろそろ話が見えてくるのだが、中韓の政府はこのような反日派を、ある面で煙たがっている。それはもちろん、対外的な立場から。自分の子供が公衆の場で犬や猫を虐待している、といったところだろう。中韓は国際的に「野蛮人」の烙印を押され、イメージダウン、発言力の低下、対外関係の悪化など深刻なダメージを負いかねない。実際問題としてキジ事件の後、韓国は世界中から「韓国人はおかしい」という白い目で見られたことは否めない。中国にしても、これだけ世界中から食品・製品の品質管理に対して警戒心を抱かれているうえで追撃的なイメージダウンが起きようものなら、本気で輸出貿易が瓦解しかねない。
 つまり、「小泉総理が靖国参拝」→「中韓の反日派が激昂」→「中韓政府としては恥ずかしいデモ発生」→「中韓の国際的立場が低下」という流れを懸念しているのだ。彼らは怖がっているのである。


■もちろん、総理本人は読んでいた
 この状況を小泉総理が知らないはずがない。すべて把握した上で、すっとぼけたまま参拝していたのは間違いないと思う。いわば、そっぽを向きながら後ろ手で中韓の足を引っ張りまくっていたわけだ。間違いない、タヌキである。
 話は変わるが、こんな逸話がある。世界サミット(だったと思う)が終わり、各国首脳が記念撮影することとなった。在任期間が長く、各国首脳とも仲の良かった小泉総理、そんな彼はなぜか首脳達の中心から外れ、隅のほうでひとり空を見上げて黄昏れていた。それを見つけたブッシュ大統領やブレア首相は彼に「そんなところに居たのか、こっちに来いよ」と声をかけたという。
 この行動、皆さんの目にはどういう風に映るだろうか。彼は中韓、その他各国の首脳に、この一連の行動を「見せつけた」のだ。日本の首相たる小泉純一郎の国際的立ち位置を、諸外国に知らしめたのだ。これが彼のデモンストレーションである。
 そんな小細工を好むこの手品師が起こした一連の騒動、この推察はあながち間違ってはいないだろう。加えて中国は数年後に五輪を控えており、このようなトラブルは本気で避けたかっただろうし、これが元で日本との関係が悪化するのもマズイ。日本の資金および技術は中韓にとっていまだ無くてはならないものである。中国とはそろそろ逆転するだろうが、立場的には、まだ日本のほうが上だったのだ。
 ・・・もう一つほど付け加えておこう。そもそも「小泉総理は中韓を怒らせた」という風説が間違いなのだ。


■中韓は小泉総理のおかげで得をした?
 小泉軍縮という言葉をご存じだろうか。一般的に「靖国問題が原因で、小泉総理は中国を怒らせた」という風説が有力だが、それは違う。実は軍事面で中韓、特に中国を大いに喜ばせていたのだ。
 「21世紀に入り、世界的な軍縮が進む中で中国の国防費は拡大を続けている」○か×か。どう思うだろう。答えは×である。では、どこが間違っているのか。答えは「世界的な軍縮が進む」というくだり。
 ミリタリーバランスや米予算教書に基づき、1997年から2007年までの10年間で各国の国防費がどう変わったか見てみよう。中国420%、アメリカ210%、イギリス170%、ドイツ160%、フランス130%、日本102%である。ここ10年間に限れば、世界は確実に軍拡の時代だった。
 最大の原因は2001年の同時多発テロ。これ以降、アメリカは声高に「テロとの戦い」を叫び、結果として多額の軍事費を必要とした。アメリカ主導でイラクやアフガンに治安維持部隊が送り込まれ、それに伴い各国に負担が生じたのである。
 しかし日本の国防予算は10年前と変わらずに横ばい。日米同盟どこ吹く風で、アメリカの対テロ戦を冷ややかな目で見てきた節がある。世界は軍拡、日本は横ばい。世界全体で考えた場合、日本は相対的に軍縮を行ったことになる。日経新聞は、これを小泉軍縮と称した。同盟国たるアメリカは良くない顔をしたが、それは後述としよう。それよりも、この状態を快く思っているのが中国である。
 中国の仮想敵国たる日本が相対的に軍縮を行ったことで、中国の危機レベルは間違いなく低下した。そればかりではない。隣国である日本の防衛力が中国に対して低下すれば、日米同盟のウェイトが変化する。結果、最大の脅威であるアメリカの足を引っ張ることとなる。これは何か起きたとき、つまり将来の話ではない。何か起きたと仮定したとき、つまり現在の話である。日本の防衛力が中国の軍事力よりも高ければ、アメリカは安心していられる。しかし中国の軍事力が日本の防衛力を明確に超えた場合、アメリカは何らかの準備に追われることになる。当然、アメリカは苛立ち、中国は顔をほころばせる。そして昨年、中国の国防費は日本の防衛費を上回った。公式資料の話である。実質的には、はるか以前から上回っていただろう。
 もちろん、小泉軍縮は日本が財政支出を抑制した結果だ。対テロ・対中国を考えたうえでアメリカから日本の防衛費増額について直接的、もしくは間接的な圧力がかかったのは間違いない。しかし小泉総理は首を縦に振らず、年間5兆円と言われる防衛費の増額を抑えた。結果としてアメリカ政府は不満を表明、今年5月の外国特派員協会にて防衛費増額を求めた。
 笑っているのは中国だけではない。竹島問題などで強硬姿勢を明確にする韓国も同様である。韓国の国防費も拡大傾向にあり、軍事面から見れば日本の相対的軍縮は中韓両国にとって好都合と言える。
 むしろ、小泉総理に対して本当に怒っているのはアメリカかもしれない。


■小泉軍縮と日米同盟
 もともと小泉総理はブッシュ大統領と非常に仲が良かった。これが彼の凄いところで、彼はブッシュが大統領になる前からブッシュにべったりだった。当然、ブッシュが大統領選に勝てば大当たり、小泉−ブッシュ関係を通して日本−アメリカ関係は円満なこと間違いない。そして事実そうなった。一方ブッシュが負けていれば、対立候補に肩入れしていた小泉総理と米大統領の空気は気まずくなっていただろう。彼はこの賭けに勝ち、ブッシュアメリカに対して、いわば譜代大名の地位を獲得したと言える。
 そして当然、「小泉が総理になってから、アメリカとの関係は一層深まった」という風説が一般的であった。しかしこれは日本にとって都合の良い解釈であり、前述のとおりアメリカを苛立たせている要因があるということは無視できない。
 小泉時代の話だけではない。現在でも守屋次官の汚職問題が後を引き、防衛費の増額合意は難しい。自衛隊による給油は4ヶ月間ストップし、再開後の給油量は以前の数分の1に減少。次期政権も視野に入れる小沢民主党は、逆に在日米軍経費の日本側負担の減額を求める。アメリカの苛立ちは募る。
 北朝鮮への対応を巡り、日本側は「拉致問題が解決しない限り、テロ支援国家の解除には応じない」と表明したが、アメリカ側は「核問題が解決すれば解除に応じる」との構えを見せた。今後の危機リスクを考えれば、アメリカの対応は正解といえるだろう。一方、日本からは「日米同盟に対する裏切りだ」という声があがった。とんでもない。確かに拉致問題について日本への配慮は無かったが、それ以前から日本はアメリカに対する配慮が足りなかったのだ。アメリカから言わせれば「俺が世界の音頭を取り、先陣を切っているテロとの戦いに、仮にも同盟国が本腰を入れて参加してくれない。というか給油すらも止めるのか? マジで? あと仮想敵国たる中国の軍備が増強しているにもかかわらず、日本が知らんぷりしているおかげで俺の日米同盟負担が増えつつある。まず目の前を見ろ」といったところではないだろうか。
 まこと、日本人は平和である。


■小泉総理は、靖国問題と給油活動でアメリカ・中韓とのバランスを取った?
 このような問題が今まで表面化してこなかったのは、過大評価かもしれないが小泉総理の力による部分が大きかったように思う。テロ対策特別措置法の制定とインド洋での給油活動によりアメリカの苛立ちを抑え、同時に軍縮による財源確保を進めた。
 また軍縮によって中韓はにやけ顔となったが、このままで終わらないのがこのタヌキである。靖国問題を引き起こすことで中韓を挑発。このままでは日本が舐められると感じたのかもしれない。つまり「中韓にとって都合の良い国になりたくない」という思惑があったように思う。
 ちなみに、小泉総理は以前ブレア首相に「何をやっても批判される」と漏らしたことがある。あぁ、なるほど。と思ってしまった。


■政界の奇術師は何を思う
 このように小泉総理と靖国問題を取り巻く実情を踏まえて推測に及んできたものの、本当のところは小泉純一郎本人にしか分からない。彼が従兄弟を特攻により亡くしたのは事実であるし、戦争犠牲者に対する敬意と感謝を持って参拝に及んでいるのは間違いないだろう。しかし上記のような政治問題が存在するのも事実。問題は双方のウェイトかもしれないが、そこにまで突っ込んで議論するのは不毛というか、無粋だろう。
 彼が何を思い、何を信じて6年間を過ごしたのか。靖国問題ひとつ取っても、なかなかにドラマな話じゃぁないですか。政治も捨てたもんじゃない。
 そして問題は今後の日本方針。上記では対米関係などに暗雲を残しましたが、まぁそれについては本記事の趣旨と外れるので別の機会に。麻生「総理」、政権公約は曖昧な印象を受けましたが、ひとつお手並み拝見といきましょうか(ぉ


 いやー、しっかしブログにまとめると疲れるね。確かに考えはまとまるし、色々と調べ出すので情報収集はできるんだけど、疲れる。時間もかかる。続けられるかなコレw
コメント
この記事へのコメント
いや頑張ったなwww
小泉軍縮のあたりは全然知らんかったんで勉強になった。

「A級戦犯とは何ぞや」
「反日指導と靖国参拝による各国のメンツ」
あたりの補足がちょっと欲しいかなと思った。

次の総選挙も盛り上がるといいなぁ。政治はエンタテイメントだからなwww

あ、次はノムたん特集がいいです(ぁ
2008/09/23(火) 06:18:32 | URL | たな #-[ 編集]
そういやぁA級戦犯って単語をいきなり出しても分からないことって多いか。
単語については全く配慮してなかったからなぁ。次からちょいと留意しようか。

あの人ノムたんっつーのかw しらんかった。特集? だが断る。
あのへん興味ないんだw 基本的に興味のある部分だけつまみ食いしてくんでよろしく(ぉ
2008/09/28(日) 20:39:04 | URL | すちーぶ #5OgwWyj6[ 編集]
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2008/09/22(月) 17:43:54 | 激安!池袋の私書箱新規オープンです